作品要約
薄暗い部屋の中で、白い光と影が蠢く。その影のひとつを、薄っぺらいピンク色の表紙が包み込む。
「深窓の華娵 –」
そのタイトルの響きは、耳と目を奪う誘惑のように聞こえる。この本はまるで媚薬のような。アナタをじわじわと責め、その全てを知りたいという下弦の欲求を掻き立てる。 出版社『COMIC ExE』の大看板作家、箕山氏のデビュー作にして、一挙両得とも言うべきであろうこの本。その表紙は既に触れた通り薄っぺらい感触の紙だ。しかしその中は、ぎゅうぎゅう詰めのような濃密さで、読者を誘惑してくる。
内部には、甘い言葉と不穏、そして何よりも切なく美しい情動が渦巻いている。
アナタを待ち受けるのは、儚く美しい少女を巡る禁断の恋、先生と生徒という逆転した関係性が織りなす甘い蜜汁の中だ。
見どころ
そしてその奥には「癒し系彼女」や「初めての妬きもち」といったフレーズが記されており、もうそこは激しい官能の迷路へと誘ってくる。
その中に深く足を踏み入れると、脳裏に思い浮かぶのは激しい快楽の渦中。透明な情念とそれを貫く強烈な性的衝動、そしてその隙間には、深いエキスをこぼしそうな「愛」の感情が待ち構えているはずだ。
私はページを捲り始めようとして、うっすらと唾液があふれんばかりに流れ出すのを、必死で堪えたいと思っている。
この本に刻印された愛と欲望は、決して忘れられることはない。