作品要約
この漫画、「彼女の雌顔」か。著者名は三上キャノン、聞いたことはある。荒くれ男で粗野な口調、それに過激な描写で名を馳せているヤツだ。そして、今回の作品はまさにそのイメージそのままじゃないか、女を奴隷と化して搾り取るという単純にしたたかなストーリー。
スーパーで働く若妻が舞台だ。リストラされ食いつなぎながら、家庭に影を落とす負債を払い、何とか生きていこうとしている。 そいつの前に現れるのが、店長、一見穏やかに見えるが実はサディズムな男。この情事を描いているときは、いつも同じ手口だ。男には明確な性的な欲望を持ち、女を肉体的に手に入れることが至上の快楽としか考えていない。
最初は嫌がり、抵抗している若い妻だが、男の圧倒的な力で抑え付けられ、やがて肉体的な悦びに貪欲になっていく。その目は次第に狂気が映り、奴隷同然の状態。
雑誌で人気を博した「特別残業」や、それに連なるストーリー、全てが魅惑的で官能的に描写されている。
見どころ
色付けや線の力強さ、そして人物たちの喘ぎ声。もうね、それらを思い浮かべるだけでも息が苦しくなる。三上キャノンの描く女たちは絶望と性的苦痛の境界を曖昧にしている。
読者はそれぞれの雌「顔」を見て、まるで自分の目の前で起こっているかのように興奮し、女たちの悲鳴、その心の渇き、全てを自分の手で握ることができる。
さて、始めようか。