作品要約
おいおい、聞いてくれよ。待たせたな。待ち焦がれたわ。
「春と青」だ。作家名は「楝蛙」、お察しの通り、俺が勝手に選んでみたわけ。この作家、新たな風を吹かせそうな奴だ。 まずタイトルからわかるとおり、お嬢ちゃんたちの性春をぐんぐん濃く描いてやろうって気骨を隠せない。
全11編。それぞれの作品では、女の子たちが青春の波に乗っている。それぞれがそれぞれの色に染まりだす様子、そして肌がうずき、甘美な欲求が徐々に爆発していく様。
最初の作品、“イキイキ潮らーめん” では、お嬢様たちの下劣な羞恥がラーメン屋での新メニュー誕生のきっかけとなっていく。もう堪らなさそうになっている。
見どころ
ほかにも、「天才への近道」では頭をいいお嬢様は性的に解放された方が成績が良くなるなんてお馬鹿な理論を真っ向から突く。この大胆さは笑うしかない。
そして、「ちかくてとおい」、そこの鈍感おにいちゃんはもはや彼女の誘惑には抗いようがなくなりつつあるようだし、「アルchu!」では酒のせいで乱暴にハメ始めちゃう隣のお姉様が出現する。
なにより、「潮騒」は夏祭りでの一幕。女の子たちはおなじみのケンカを通して己たちのナカを直す。