作品要約
この「あの娘の境界線」は、薄暗がりと欲望に溢れた、尋常ではない世界へと誘い出すような漫画だ。著者であるおそまつは、極限の性、魂や愛情の剥き出しの描写に長けており、読者はこの電子特装版のために用意された9編のストーリーを通してまさにその領域に足を踏み入れることになる。
作品群を見ていくと、まず感じるのは女の子たちの感情の抑圧性だ。主人公たちを見事なまでに歪めた愛情や嫉妬、性衝動が全て濃縮されて展開されていく。 幼馴染の二人、王立少女たちの淫靡な関係。彼女たちは周囲を顧みずに、自己と欲望の関係だけを突き詰める。それが、壊滅的なまでにエキサイティングで、性そのものとの不器用なコンタクトに飢えてる。
お兄ちゃんに犯され、玩具と化して、欲情に突き動かされ、彼女の自我とはかけ離れた場所にいる。
見どころ
これらの欲望は、特に「セクシャルなサービスを提供する」ようなタイトルが示すとおりに、想像通り非道徳的でありながら同時に肉体的な表現まで行き着く。
特装版には描き下ろしイラストも追加されており、これを見るともはや作品との一体感が際立ち、想像に容易に掻き乱されるはずだ。
これが「あの娘の境界線」の底流。乱れにまみれているが心地よい性と、その下にある、あり得るかもしれない純度を超越した欲望の狂気 – 読者は是非ともその深淵に飛び込んでみることを勧めよう。
